Another Days

hanaの日々だぜい!

瞬間瞬間に捨ててゆく

夜寝完了~。というか、もう朝じゃんか!
つーわけで、昨夜のお仕事も十分に満足。

その理由は輝きと困難とが両方あってどちらもタップリ楽しんだから。あたしの言う困難とは、つまり演奏が上手くいかないという事なんだけれどね。

これは失敗やミスという事も出来ます。が、ただ失敗やミスと言ってもあたし達は一流のプロでであり、あたしは世界に通用するピンのアーティストあると胸を張って人に言えますので簡単なお話ではありません。様々な理由により訪れる演奏・アンサンブルの時間における思考上の不都合とでも説明できましょうか。

でね、そういう不都合な瞬間が訪れた時ですが、たとえば人が上手くいかないことは批判精神など1%も湧かず、愛情タップリにフォローして時間が流れていくものなのです。でもね、自分に関してはなかなかそうは出来ません。

もちろん全てが上手く流れている時は何も言うことはありません。ですが問題は事が起こった時、そしてその後に自分が自分に対してどうであるかという姿勢です。その姿勢こそが、自らの思い通りにいかなかった後の、時間の質を根本から左右するのです。

その点において、昨日はた~っぷり楽しみました。具体的には致命的に上手くいかない事 (これも単に自分がそうと決め付けているのですが。)が訪れたのですが、この瞬間に実際あたしでさえ、現場の音場の状況でハーモニーが瞬時には聞き取れなくなり一瞬焦りました。

んが。。

その時間に譜面を見れば9小節後あたりでトライアード(3和音)が来ると譜面上にある。この混沌の状況では焦ってもがく事無くそれを待つ以外ない。そしてその時を待つと(実際には15秒後程度)トライアードがやってきた。さて、ではそこに合流。というわけ。あはは。簡単なのだ。だがこの簡単な作業が人にはまず絶対出来ないものなのです。そこが変化してゆく時間というものの面白さです。

しかしまあ自分的には失敗は失敗。勿論自分ひとりではなく共演プレイヤーのミスもきっかけで起こったことではあるけど、音楽家は自分に起こる全ての出来事は何が理由であろうと自分の責任と思っているので、やはりあたしのミスという判断が自己の思考を支配する。

さて。それはいい。課題は更にその先。このミスしたと自分で判断した自分をいかに手放しその記憶にさよならするかという課題なんだ。ここがあたしが言いたいダイナミックな面白さ。次の曲に入ったら過去全てを忘れ新しい自分になるという作業をするんだ。もう何もなかったという顔をしてw これも慣れないと苦しくてまず出来ない。だって人はこの社会で責任を取って生きてるんだもの。

でもね、人に迷惑かけたかも。。とか、自分はダメだったとか、どうたらこうたら。。とか考える必要なんてないんだ。全ての記憶を手放し忘れ去ったら、まっさらの新しい自分なんだよ。これがあたし達自身であり、全ての感性は何の囚われも無くなってゆくんだ。それでやっと新しい自分が生まれるんだ。すごいダイナミックな思考の作業なんだよ。

ここで註ね。これは心がどうこうじゃない。心はいつでもそのままそこに在る。すべてを覆い隠してしまうのはあたし達自身の精神=思考ということだからね。

瞬間瞬間にも過去を捨ててゆくことが、音楽の最も大切な姿勢であり、これは人生も然り。自分を断罪し罰したり、人との関係の中で(親って場合も多い)刷り込みに囚われて生き難くなっている人が、全てを変えて幸せに生きるための人生の基本的な姿勢なんだ。

おもしろいよ。